ここ一年疲れがどっとたまり、ぜんぜん読めなかっただけに、
久しぶりに読むと不慣れなもので、すごく目で文字を追うのが
たどたどしいのを感じる。
読んだ本を以下にまとめてみました。
1. 『リピート』 乾くるみ (文集文庫)

「主人公の毛利が、これまで面識のなかった人物、風間から
突然電話で、過去に戻れる話を聞く。風間に聞くと、自分と
同じように過去に戻れる話をしたのは、毛利と面識のない
9人。毛利は、風間がセッティングしたミーティングではじめて、
過去に戻るメンバーと出会う。メンバーは毛利も含め、男性9人、
女性1人の計10人。このメンバーで過去に戻ることになる。
過去に戻ると、毛利は依然付き合っていた彼女と別れ、一緒に
過去に戻ったメンバーの一人、篠崎鮎美と付き合うことになる。
しかし、毛利は人生をやり直すわけだが、以前体験した人生とは
少し違った状況に陥ってしまう。
この状況を打破しようと、毛利は再び過去に戻ることを決意する。」
といった感じの話だったかな。
比較的ミステリアスな感じ。
私自身、「このミステリーはすごい」のファンだけに、こういう感じの
内容はとても好きで、読んでるうちに内容に引き込まれてしまった。
主人公の毛利が、とんでもないことをやらかしてしまうにもかかわらず、
でも応援というか、主人公がよいように期待してしまうのは自分でも
過去に戻って、人生をもう一度やり直したいと思っているからなのかな・・・
でも、1回目のリピートで、鮎美との間に子供ができたとき、自分だったら
リピートを繰り返さずに、鮎美との人生を選択しただろうな・・・。
2. 『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ (文集文庫)

「主人公の鈴木夕樹が、ひょんなことから友人から誘われた合コンで
盛岡繭子(歯科助士)にであう。夕樹自身は初めての合コンであった
だけに、繭子とはぜんぜん話す機会はなかったが、合コンの後も
メンバーで海に行ったりするのをきっかけに、繭子と話す機会も増える
ようになった。
また、繭子も夕樹に好意を寄せていたようで、合コン後にはじめて
合コンメンバーでいった海で、夕樹に自分の電話番号を教える。
海から帰って1週間後?と夕樹は繭子に電話をし、デートの約束をする。
何回かデートをするうちに、夕樹と繭子は付き合うようになる。
時がたち、夕樹が就職し、東京に転勤になる。
繭子と遠距離になるが、夕樹は繭子と会うため、1週間ごとに繭子の元に
帰っていた。しかし、東京で一緒に仕事をしている美弥子との出会いから
歯車が狂い始める。
美弥子とも関係を持つようになり、それが繭子にも知れてしまう。
結果的に、夕樹は逃げるように繭子と別れ、美弥子と付き合うようになるが・・・」
なんていうか、不倫の話かな?
まぁ、私としては不倫はありだとしても・・・繭子とは続いていってほしいなぁ
という淡い期待を持ってしまいました。
東京にきたら人は変わるのかな・・・
そんな感じを思わせる小説でした。
3. 『あの夏、風の街に消えた』 香納諒一 (角川書店)

「主人公の師井巌は、朝起きると父から依頼されたと言う風太が
家に上がりこまれ、新宿までついてくるように言われる。
巌は、風太に言われるままついていった。というのも父が事業に
失敗し、追われているため巌も身を隠すことになった。
巌は新宿の昔ながらのホテルに泊まるようになり、いくつかの事件に
巻き込まれる。その事件を解決するために、巌は情報を入手するため、
風太と新宿中を走り回る。
そんな折に、一人の中国人の女性と出会う。それが玲玉だ。
玲玉もある人物を探していた。巌は玲玉に好意を寄せ始める。
玲玉とかかわることになり、さらに事件に引き込まれることになる。」
といった感じの話。
ある意味、面白かった。
でも、私としては、最後は玲玉と一緒になってほしかったなと期待した。
4. 『いつか、虹の向こうへ』 伊岡瞬 (角川書店)

「元刑事で、ある事件をきっかけに逮捕された主人公の尾木が、道端で
早希にであう。尾木がそのとき、酔いつぶれていたことから、早希が尾木を
家までつれて帰ることになる。
尾木は、そのときジュンペイと石渡氏、そして恭子という3人の赤の他人と
共同生活をしていた。そこにこの早希が押しかけてくることになる。
実際には、3日程度とまっただけだが、早希を泊めたことをきっかけに尾木は、
事件に巻き込まれることになる。
早希とつるんでいた男(暴力団の組員)が、早希と口論した跡に、何者かによって
殺害されたのだ。
尾木は、早希が無実であることを証明しようと調査に当たる。
そこで、多くの暴力団内の問題を発見する。
組員を殺したのは、早希ではないことはわかったのだが、殺した犯人というのが、
身近にいる人物であることに気づいてしまう・・・・」
主人公とその周りの、心の問題が大きく影響を与えた小説だが、
なんというか、もっと男女の関係が濃い感じのほうが私は好きだな。
5. 『青の炎』 貴志祐介 (角川文庫)

「主人公の秀一は、母と妹の3人暮らし。そこに離婚した夫、曽根が
家に転がり込むようになり、事件はおこる。
曽根のあまりに某弱無人な行動に、家族の崩壊を恐れた秀一は、
曽根の殺害計画を立てる。
病死を装った感電死。完全犯罪をもくろむ。多くの医学書等を読みあさり、
完全なる計画を立てる。
計画は実行され、曽根は死ぬ。
しかし、完全に見えた殺害も、一人の親友により目撃されていた。
秀一は、その友人から金をせびられることになる。
そこで、秀一は平穏な家族生活を送るため、その友人も殺害することにした。
友人の殺害も、完全犯罪を企てたが、刑事の目は欺けなかった。
刑事に犯行がばれたことを悟り、恋人であった紀子に別れを告げる。
その帰り道に・・・」
といった話。
これは、単刀直入に面白かった。
たしか、嵐の二宮君が主人公の映画が出されたような・・・?
紀子との関係が、まさに高校生の青春をあれあわしている感じで、
また、紀子の一途な恋心にぐっと来た。
切なさがこみ上げてくる作品。
映画も見てみたくなった。